
定款は会社法に基づき、株主総会等の意思決定機関の設計や運営や株式に関することなど、会社を運営していく上での重要事項を定められています。
定款の記載内容については、会社法の範囲内で一定程度自由に定めることができるため、定款の作成方法によっては、より柔軟な会社運営を行なうことが可能となります。
会社法は株主平等原則として、株式会社は同じ内容の株式を保有する株主についてはその保有株式数に応じて平等に取り扱わなければならない旨を定めています。しかし例外として、発行する全ての種類の株式が譲渡制限株式である株式会社(株式譲渡制限会社)においては、株主間の関係が密接でかつ株主の変動も少ない場合が多いため、株主の個性に着目し、(1)余剰金の配当(2)残余財産の分配(3)株主総会における議決権について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることが認められています。
株式会社は、定款で取締役の資格を公序良俗に反しない限度において、例えば成年者や日本人に制限することができます。 また、「定款を変更してできること1」で述べたように、株式譲渡制限会社の多くは固定的な株主による継続的な会社運営が行われています。 したがって、株式譲渡制限会社においては定款で取締役の資格を株主に限定することも認められます。
※1 総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあたっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の4分の3以上(これを上回る割合を定数で定めた場合にあっては、sの割合以上)に当たる多数の賛成を要する
※2 監査役は取締役を監査する立場にあるため兼任することができない。また親会社の監査役は子会社調査権により子会社の不正行為を監査する立場にもあるため、子会社の取締役と兼任することができない。
なお、親会社の取締役は、子会社の経営も併せて行うことが効率的であるため、子会社の取締役を兼任することができる。
株式会社は、全ての株式又は一部の種類の株式の譲渡による取得について、会社の承認を要するという旨の定款の定めを設けることにより、その譲渡を制限することができます。これは会社にとって好ましくない者が株式を取得するのを防止するための規定となりますが、この譲渡の制限は相続、合併及び会社分割に伴う株式の取得には効力を有しません。
したがって会社法では、株式会社は定款に定めることにより、相続、合併及び会社分割による株式を取得した者(以下、相続人等という)に対して、その株式を会社に売り渡すことを請求することを認めています。
上記2にあるように、相続人等は、売渡し請求を決定する株式総会において議決権を行使することができません。したがって、発行済株式の多数を有する株主が死亡した場合は、少数株主のみが株主総会において議決権を行使し、その相続人等に対して売渡し請求を行使することが可能となります。 以上のような問題を回避するには、上記で述べた、株主ごとに異なる取扱いを行う旨の定款の規定を設けることなどが必要となります。